海に還す
人生が無理な気分になってしまい、眉毛を描くことを放棄して職場に向かった。
ズボンのポケットに眉毛を描くやつを入れてたのだけど、なんか意地になって一日描かないで過ごして、帰りにポケットから取り出したらいつも使ってる青いボールペンに変わってた。
眉毛を描くやつはどこに消えたんだろう。
帰りの電車に乗ったら自分の姿が映ってた。
電車でおなじみ深見東州の謎広告で顔が隠れて、首から下だけが映って見えた。
びっくりするくらい女の形をしていた。
首から下のことは、あまり気にしたことがなかったから、驚いた。
私に取って文字は、文字だけが、自己表現の手段だった。
感じたことをうまく声に出して、誰かに向けてお話することが出来ないから、こうして書いて、海に還す